名建築と学ぶ〜前川建築とくにおん
第二十二弾『くにおんの前川建築の謎』
今回は、これまでの魅力や見どころのご紹介とは趣向を変えて、今回の企画にあたり、私が調べたところでは真相が分からなかった「くにおんの前川建築の謎」を3つご紹介します。
1つ目の謎は、本学のシンボルにもなっている「カリヨン」は、いつから「カリヨン」と呼ばれるようになったのか、というものです。
本学のカリヨンの正式名称は「グロッケンシュピール」と言い、カリヨンは愛称として使用されています。
「カリヨン」とは複数の鐘が組み合わさった楽器のことを指しますが、1983年の竣工当初の資料や設計図にはいずれも「グロッケンシュピール」として記載されており、おそらく「カリヨン」は途中から愛称として使われるようになったものと思われます。
みなさんは本学のシンボルを「カリヨン」と呼んでいますか?それとも「グロッケンシュピール」と呼んでいますか?
「グロッケンシュピール」はいつから「カリヨン」と呼ばれるようになったのか、この企画で出てきた謎の1つです。
2つ目の謎は、講堂大ホールの客席に敷かれたカーペットの色です。
現在のカーペットは写真のとおり、ホール全体の色味と調和するような、暖かみのある赤みを帯びた色が採用されています。
しかし1983年の竣工当時の写真を見るとやや明るめの緑色が採用されており、竣工から20年ほど経った際に行われた大規模な補修工事の際に、現在の色味のカーペットに張り替えられたとのことです。
色の変更には何か理由があるのでしょうか。
緑色のカーペットの講堂からは若々しさを感じますし、現在の講堂からは暖かみを感じますね。
あなたはどちらの講堂がお好みですか?
3つ目の謎は、講堂中庭に設置されたH型の照明です。
この照明は、前川建築でよく見られる照明として過去にもご紹介してきましたが、本学においても、また他の前川建築においても、この照明は上向き(Hの横棒が下に来る位置)で設置されていることがほとんどです。
しかし本学の中庭に設置された照明だけは下向き(Hの横棒が上に来る位置)で設置されています。
中庭には階段があり2階もあるのですが、階段と2階の照明は上向きに設置されており、なぜか中庭の1階にある照明だけは揃って下向きに設置されています。
内と外の境界を照明の位置で分けたのでしょうか?それとも別の意図があるのでしょうか。
次に本学にお越しになった際には、ぜひ建築の魅力と一緒に「あれはなんだろう」という謎も探してみてください。
次回の配信は6月25日(木)を予定しています。
同日の配信をもちまして、最終回となります。